いつも取っているメルマガの中から・・
「泥かぶら」への言葉
今日は、ちょっと感動的で気持ちが明るくなる、大好きな話です。
長い話なので、時間がとれるときにお読みくだされば幸いです。
▼演劇「泥かぶら」をご存じでしょうか。
昭和27年の初演以来、国内外で7000回以上も上演されている名作。
そして「愛のしずく」のように心洗われる美しい劇です。
今日は、そのストーリーをご紹介します。
▼昔、ある村に顔の醜い少女がいました。
孤児で、家もなく、森の落葉の中にもぐり、橋の下に寝る。
色は真黒、髪はボウボウ。着物はボロボロ、身体は泥だらけ。
少女は、その醜さゆえに、「泥かぶら」と呼ばれていました。
▼子どもからは石を投げられ、唾を吐きかけられ、
泥かぶらの心はますます荒み、
その顔はますます醜くなっていくばかりです。
「あたしはこれからどうしたらいいの…」
夕日を見ながら、悲しくなり考え込むのです。
▼ある日のことです。
泥かぶらがいつものように荒れ狂い、
「美しくなりたい!」と叫んでいるところへ
旅の老法師が通りかかりました。
「これこれ、泥かぶらよ。
そんなにきれいになりたいと泣くのなら、
その方法を教えてしんぜよう。」
「3つある。
まず1つは、自分の醜さを恥じないこと。
2つ目は、いつもにっこりと笑っていなさい。
そして3つ目は、人の身になって思うことじゃ」
▼泥かぶらは、激しく心を動かされます。
というのも、それらは、今までの自分と
まったく正反対の生き方だったからです。
「この3つを守れば村一番の美人になれる」
法師の言葉を信じた泥かぶらは、
その通りの生き方をしはじめます。
しかし、急に態度の変わった泥かぶら見て、
村人は不審に思うばかりか、嘲笑し、中傷するのです。
▼ある時、事件が起こります。
事の発端は、村一番の美人で一番お金持ちの庄屋の子、
こずえでした。
彼女がどうしたことか、「助けて」と叫んで、
泥かぶらのところに走って来たのです。
こずえは、日頃から泥かぶらを嫌っていじめていた者の一人です。
何かわけがあるに違いありません。
果たして、こずえの後ろから、
父親の庄屋が鞭を持ってやって来ました。
庄屋は、命よりも大切にしていた茶器を割られたことで、
怒り心頭に達していました。
「泥かぶらが、割ったんだ」
父親の怒りを逃れるために、こずえは、
日頃から評判の悪い泥かぶらに罪を着せていたのです。
▼怒り狂ったような庄屋は、娘の言うことを信じて疑いません。
泥かぶらを見つけると、容赦なく鞭で打って、
折檻(せっかん)をし始めました。
泥かぶらは、すべてを悟り、黙ってその鞭を受けました。
「人の身になって思うこと」という法師のあの言葉を思い出し、
「助けて」と頼んだこずえの願いを聞き入れたのです。
何度も何度も鞭で叩かれ、ひどい言葉を浴びせられながらも、
泥かぶらはこずえを助けるために、最後まで耐え忍びました。
▼「もうやめよう。お坊様がおっしゃった3つの言葉、
あんなことで私は良くなるとは思えない」
泥かぶらが全身ボロボロになって、
また丘の上の夕陽を見ながら泣いていた時でした。
後ろからそっとやってきた人がいます。
こずえでした。
「助けてくれてありがとう。
本当に悪い事をした。
これは私の宝物だから、あんたに、もらってほしい」
そして、自分が一番大事にしていた櫛(くし)を差し出したのです。
▼この時、泥かぶらは自分が報いられたことを知りました。
生まれて初めての経験に、泥かぶらは声をふるわせながら、
こずえに言います。
「その櫛はいらないから、
その心だけでいいから・・・
どうかこれからあたしと、仲良くして・・・」
こずえは泣きながらうなずきました。
そして、泥かぶらの頭の泥を払い、櫛で髪の毛をすいてあげて
かたわらの花を挿してあげるのでした。
▼それからです。泥かぶらの人生が好転してしていったのは・・・。
村人たちの泥かぶらへの評価がどんどん良くなっていきます。
そうなればなおさら、泥かぶらはお坊さんの3つの言葉を
さらに実践していきます。
喘息持ちの老人には山奥に入って薬草を取って持ってきたり、
子供が泣いていたら慰めてやったり、子守りをしてやったり、
人の嫌がることでもニコニコしながら次から次にしていきます。
すると、心も穏やかになっていき、
あれほど醜かった表情が消えてなくなっていきました。
村人のために労をいとわずに働く泥かぶらは、
次第に、村人にとってかけがえのない存在になっていったのです。
▼ところが、そんなある日、村に恐ろしい「人買い」がやってきました。
人買いは借金のかたに、一人の娘を連れていこうとします。
泥かぶらと同じ年の親しい娘です。
「いやだ、いやだ」と泣き叫ぶ娘の姿を見ていた泥かぶらは、
人買いの前に出て、自分を身代わりをしてくれと頼みます。
▼こうして、売られていく泥かぶらと人買いとの都への旅がはじまります。
そんな時でも泥かぶらは、法師の3つの言葉を忘れませんでした。
・自分の顔を恥じない。
・どんな時にもにっこり笑う。
・常に相手の身になって考える。
▼ですから、旅の途中、毎日毎日、何を見ても素晴らしい、
何を食べても美味しいと喜びます。
どんな人に会っても、その人を楽しませようとします。
「売られて行くというのに、
おまえはどうしてそんなに明るくしていられるのだ」
不思議がる人買いに、泥かぶらは、
自分の心にある美しく、楽しい思い出だけを、
心から楽しそうに話して聞かせるのでした。
そんな泥かぶらの姿に人買いは、激しく心を揺さぶれます。
▼親に捨てられ、家もない娘が不幸でなかったはずはない。
それなのに、誰に対しても恨みごとを言わず、
むしろ村人たちに感謝さえしている。
そして、この自分に対しても、
楽しい話ばかりして喜ばせようとしてくれている。
それに引きかえ、それに引きかえ・・・
ああ、自分のこれまでの生き様はなんだったのか・・・。
▼月の美しい夜でした。
人買いは、泥かぶらに置き手紙を残してそっと姿を消します。
手紙にはこんな言葉が書かれていました。
「私はなんとひどい仕事をしていたのだろう。
お前のおかげで、私の体の中にあった仏の心が目覚めた。
ありがとう。仏のように美しい子よ」
泥かぶらはそのときはじめて、法師が自分に示してくれた、
教えの意味を悟り、涙するのです。
▼・・・というお話。
わたしたちは、
自分の運命を変えることができるんですね。
自分の何かを変えることによって・・・
★ あなたが幸運になれるヒント ★
自分が変わることによって運は開ける。
(^.^)
「泥かぶら」への言葉
・自分を恥じない。
・人に笑顔で接する。
・人の立場になって考える。
朝からとっても気分がよくなりました!
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