2015年12月01日

防災リーダー講座4回目

1限目 ”災害時要援護者支援対策” 横浜大学准教授 石川永子 氏

1)災害時要援護者の避難と避難生活
地域に暮らす要援護者の防災活動を支援していくために
災害時要援護者とは
高齢者・乳幼児・障害者・妊婦・外国人

・当事者が地域住民に教える支援体験プログラムの開発
・当事者お自発的な避難・避難生活のための情報保障
・応急期〜復興までを見据えた住民による計画づくりの訓練プログラム
・災害時に負傷した被災者の実態把握 生活再建のための支援策の検討
・今後、災害時の避難と避難生活(シェルタリング)の図上訓練等開発

☆災害時要援護者名簿
・高齢者や障害者に登録するかどうか確認してリストを作る場合
・地域で希望者を取りまとめリストを作る場合
◎個人情報の取り扱いの問題
・地域の人に知られたくない
・情報を誰が管理するのか?
作成するだけではなくお助け隊とのマッチング
(要援護者避難マップ)
防災訓練
(避難訓練・避難生活訓練)
などを行うことが重要
☆災害時要援護者支援台帳
要援護者も避難訓練を経験することは重要
・避難後の関連死が多い
・65歳以上の高齢者の避難率が高い
・避難生活が長くなればなるほど死者も増える

仮設等は5ヶ月かかる
(避難所の運営はいのちに関わる)
夏場の避難所での食中毒にも注意(毎食後食べ残しは回収で回避)
2次避難所(体育館・温泉施設・保養所・民宿・ホテル・旅館等)
受け入れの自治体が運営(災害援助法適用)

避難所の運営には自治会長などがなることが多いが、女性の人が運営に関わらないと女性の声が届かない


2)福祉避難所の課題
実際には福祉避難所の数は少ない
現状の課題
1,福祉避難所設置・運営のためのマニュアル作り、体制構築、訓練の実施等
2, 災害の規模等を踏まえた支援内容とその実施体制の検討

防災マップ(開示用)
自治会長宅、器具等
もう一つには要援護者の地区のマップ
・避難所、避難経路、支援する人
などの書き込まれたマップ

3)今後の災害時要援護者支援のために
地域の力で避難期を乗り越える
本当に支援が必要な人・優先順位が高い人に支援・情報が行き渡るように
当事者の防災対応力を引き出すための取組

まとめ
1,地震・津波から身を守るために
・様々な条件で訓練する(昼・夜)(海から遠い地区でも油断しない)
・災害時要援護者(高齢者等)は現実的・実行可能な避難計画をつくる
→避難支援・津波避難ビル・垂直避難・場合によっては車避難
・病院・福祉施設の避難・BCP(事業継続計画書)を真剣に考える

2,避難生活がどんなものになるのかイメージして準備する
他に被害の大きいところがあると結果的に支援が後回しになる可能性も
→情報発信の重要性、しばらくの間の食糧・医療品等の分散備蓄が重要
→停電(ATMなど)でお金がない!(出せない)
→学校や病院、インフラ(特に電気と水道)、道路の復旧に遅れて生活に大影響
→広域避難で、地域がバラバラになったり、市町の情報が入りにくくなることも
(避難所の環境が悪くても地域を離れたがらない人も多い)
避難住宅用地が足りず、不便なところや町外に住む可能性も(町外借り上げ住宅も)
職場も家も失い避難所から出れない人も。。
役場も被害を受け行政サービスを受けれないことも

3,大震災の復興ではどんなことが課題となるか?
仕事がなければ被災地には人は戻ってこない(復興の一番の課題は雇用)
合併し被害大の市(町)は中心部以外の復興はどうしても遅くなる傾向
同じ地区の中でも被害を受けた家、免れた家がある
など

4,事前に地域で出来ることは何か?
高台に避難したあとどうなるのか?(復興まちづくり模擬訓練)
避難所や仮設住宅・街の復興を考えることで地域の課題が見えてくる
(防災対策の見直すきっかけになる)
被害想定に基づいた地域内の被害を仮定しワークショップを行うと普段言いづらいことや長期的な地域の計画にも話し合える(幅広い世代の参加も期待できる)

2時限目 ”防災情報が命を救うー現場で考えた防災” NHK解説員 山崎 登氏

自然災害・防災担当
☆流域全体で洪水対策を進める
(現在の洪水対策 河の中で水を安全に流す)

堤防の老朽化・想定しうる最大規模の洪水対策

想定内ならOKだか最近は想定外の雨が多い

重い行政の情報の役割
災害対策基本法
”住民の生命・身体・財産を保護する責務”

風水害は情報を生かしやすい災害
住民は情報判断しやすい
・記録的短期間大雨情報(意味を理解していない人も多いのでは?)
避難の参考にする情報
・天気予報や気象情報 (75.2%)
・避難勧告・避難指示 (60.1%)

大雨の場合の気象情報ながれ
大雨注意報(半日前から数時間前)
大雨警報(2時間程前)
・記録的短時間大雨情報(数年に1度の雨)
・土砂災害警戒情報
・河川のはんらん情報(全国約200河川)
・竜巻注意報
特別警報(50年に1度あるかないかの警報)

情報とは
受け取る側、出す側の意味・役割を理解してるか?

☆自治体の情報は出ないこともある
(市町村の防災体制→防災担当部署の職員数(専任)0人→30.1% 1人→4.7% 2人→10.5% 3人以上 44.7%(政令指定都市等)
(災害が迫ると自治体の防災は忙しい)
問い合わせ、土砂の情報、雨の情報、河川の水位など

従来の想定(過去に起きおたことがわかって今後も起きる恐れがある地震)

今後の想定(科学的に考えられる最大の地震と津波)

阪神淡路大震災の時には他市町村のホースが連結出来なかった
その後全国統一していった

災害は盲点をついてくるように発生する

情報が減災のキーワードに
・緊急地震速報
・津波警報の見直し
・大雨警報の市町村化
・土砂災害警戒情報
・火山の噴火警報
・特別警報

災害の多い時代に・・・
新たな防災の課題
複合災害(前の災害と同程度かより大きな災害が起きること)

複合災害を視野に入れる
・複合災害に備える(政府は広域避難を検討する。自治体は歴史上の災害と課題を洗い出す)
・出来る対策を着実に進める

増える異常気象と深刻化する被害
進む温暖化
温暖化で気象現象は極端化する
地域別に見た世界の自然災害(アジアが多い(発生件数・死者数・被災者数共に)

防災意識を高める
緩和策(CO2を減らす)+適応策(被害を減らす)

減災
住民は危険が迫れば”逃げる”避難する
(市の誘導ではなく自身の判断で!他市町村に逃げる方がいい場合もある(市町村は言えない))

地震速報は波形の情報をキャッチして情報を流している

☆備える
自分の市はどの災害が多いのか?
雨?地震?

大雨による土砂災害
深層崩壊
異常気象という言葉からは珍しいまれであるという印象が消えつつある
背景 海の温度(表面だけではなく深いところの温度上昇)
自然が変わり災害の様相が変わりはじめた

3限目 ”近年の豪雨による水害・土砂災害発生 メカニズムの解明と犠牲者ゼロを目指して”
神戸大学名誉教授 沖村 孝氏

1、六甲山系の過去の災害
砂防事情の始まり
水源確保のための造林
1838年集中豪雨
水源地の土砂流出対策
開発による荒廃の進行
1961年集中豪雨
1967年集中豪雨

降雨強度のめやす
5〜10mm/h
雨の音がよく聞こえ、道路や庭先にたちまち水たまりが出来る
10〜20mm/h
地面一面に水たまりができ、雨の音で話し声がよく聞こえない(この程度の雨でも長く続くと警戒が必要となってくる)
30mm/h以上
バケツをひっくり返したような表現がピッタリの激しい降り方(危険地帯では避難態勢に入らなければならない)
50mm/h以上
滝のような雨
80mm/h以上
恐怖を感じる雨

2,最近の豪雨による土砂災害
3,土砂災害の種類
崖崩れ、地すべり、土石流
4,豪雨による土砂災害発生メカニズム
崖崩れの規模
小規模崩壊(長さ20m程度幅10m程度深さ2m程度 斜面の表土層が崩壊、土砂の崩壊
中規模崩壊(断層や節理面などの不連続面(すべり面、不透水層になる)に沿って崩壊、旧崩壊、土砂や岩が崩壊する
深層崩壊(断層や節理面などの不連続面(すべり面、不透水層になる)に沿って崩壊、旧崩壊、土砂や岩が崩壊する もともとクリープしていた

大規模崩壊のメカニズム
境界条件
基岩の不連続面(断層や節理面など)これがすべり面、不透水層になる。岩が崩れる
旧の大規模崩壊地の再移動(この場合、土砂や岩屑が崩壊する)
降雨条件
多量の降雨(1000mm程度かそれ以下)

深層崩壊のメカニズム
境界条件
深層(50m以上)に流れ盤の存在
トップリンクの存在
重力の作用によるクリープの進行(二重山稜、小規模滑落崖等に現れる)(クリープがなければ深層崩壊は発生しない)
降雨条件
長期間にわたる多量(1000mm以上)の降雨

土石流の発生メカニズム
小規模な崩壊土砂が渓流に流れ込み、渓床の不安定土砂を巻き込んで土石流となる
渓流の水深が大きくなり渓床の不安定土砂を巻き込んで土石流となる
大規模崩壊や深層崩壊による土砂が堰き止め湖を形成し、その後の降雨により堰き止め湖が崩壊した場合は土石流が発生する。連鎖性が被災規模を大きくする

地すべりの発生メカニズム
地すべりは非常にゆっくりとした移動で人が感知出来ないことが多い
地すべりは大規模で長さ100m以上深さ10m以上が普通
地すべりは再移動が多い。言い換えれば僅かな刺激で再移動する土質は粘土層が多い。地下水の作用が多い
地すべりは移動が完了しないため、地形にその痕跡が残っており、地すべり地形と呼ばれる

5,豪雨による斜面土砂災害の対策
・行為の規制
砂防法・急斜面地等の崩壊防止に関する法律・地すべり等防止法・宅地造成等規制法
・防災対策工の施工
崖崩れ
土留め擁壁、コンクリート枠工、吹付け工、アンカー工、ロックボルト工、落石防止工(ネット、柵)植生工、排水工など
土石流
砂防ダム、立体格子型ダム、流路工、擁壁工など
地すべり
制御工(地上排水工、排水ボーリング工、集水井工、地下排水トンネル工など)、抑止工(シャフト工、杭工、アンカー工、排土、押さえ盛り土工、床固め工など)
6,これからの斜面防災
対策工の効果による被害の減少
課題:被災はゼロにはなっていない

土砂災害発生危険箇所
要対策箇所
対策済みの箇所

防災構造部による安全確保の限界が露呈
これからの防災のもうひとつの視点
☆災害は発生するかもしれない

発生するかもしれない災害を最小限に食い止める
(減災)の考え方が必要になってくる

ハザードマップ(危険な場所・防災知識)
リスクマネジメント(危険な時刻・警戒避難)

7,危険情報で避難できるか?
土砂災害警戒情報から避難情報発信へ
避難のため市町村から発信されるさまざまな情報
・避難準備情報(病人・高齢者など緊急要援護者の避難のために。避難勧告に先立って発信される。20分後に避難行動を始めることが期待される)
・避難勧告(避難を開始すべき段階)
・避難指示(生命の危機が迫っている段階
避難情報を伝えるための工夫
様々な方法
(防災行政無線、拡声器、マスコミ、広報車、サイレン、区長さんからの直接各戸へ連絡。地域防災リーダーから直接各戸へ連絡。これからは行政から住民が情報を受け取る方法が、住民が情報を取る方法も必要
災害時要援護者
行政からの電話連絡、消防団からの連絡、自主防災組織の支援


8、リスク認知から避難行動へ

自主避難の方法もある
私達の”リスク認知向上”と”避難行動への移行”が必要となる
避難行動へ移行する決心は個人の責任
決心しても個人では行動できない
近所で助けあって行動する
リーダーの避難訓練経験と地域に関する知識が必要

”リスク”の認知の向上を図り避難行動へと移行する仕組みの構築
・危険情報の発信は行政が行う(公助)
・リスクの認知は個人の判断(自助)
・避難行動は1人では危険。近所でお互いに助けあって行動する(共助)

災害文化
災害時の危険を頭で理解する
緊急時の行動を体で理解する

9、降雨の最近の傾向
近年、強度の大きな降雨が頻発している

洪水・崩壊が発生しやすい
早目の避難行動で減災を

自分の身をどう守るか?
土地の被災の歴史を知る
過去の災害の経験を生かす

緊急時の避難行動
普段やっていても緊急時にはなかなかできない
普段できないことは緊急時には何もできない

普段の備え、訓練が必要


回を重ねるにつれて専門的な事など詳しく勉強するようになってきました。
しっかりと学び広め自分の身は自分で守る事を皆が出来るようになればなぁ。。

posted by tyaki at 15:05| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック