午前中は京都大学工学研究科地球環境学堂教授 清野 純史氏の講演でした。
”建物の耐震化と長周期地震動”
☆地震の仕組み(基本事項の確認)
日本列島の太平洋側の海底にはいくつもの海溝(深さが6000mをこえるもの)やトラフ(深さが6000m以下のもの)が連れなっている。海溝プレートが陸のプレートの下に沈み込んでおり、日本ではそのためにプレート間地震が起きる


プレート間地震とプレート内地震

☆地域で考えなければならない地震とは
◇プレート内地震(内陸活断層)
◇プレート間地震
南海トラフ
活断層型地震はプレート内部にたまった歪エネルギーの放出によるもの(ずれたらそのまま)
海溝型地震はエネルギーの放出でプレートが元に戻る
マグニチュードはそのものがもっているエネルギー
震度は場所で揺れを感じる度合い
☆震源・伝播経路・当該地盤と周期特性
震源特性とは具体的には,アスペリティの配置,地震の規模(断層の大きさに関係する),震源メカニズム(断層の破壊の仕方)などをいう。
私たちが感じたり構造物を振動させたりする地震動は断層においてどのような破壊がおこったのか?
地震による地表での揺れの強さは主に震源断層が関わる
伝播特性とは,地震波が震源から敷地地盤に伝播する際,どのように地殻内(岩 盤中)を伝わってきたかを表す特性をいう。
生じた地震波動がどのように伝わってきたか
当該地盤の特性
表層地盤のかたさややわらかさに関する地盤特性
☆構造物と人間被害
人的被害を軽減するには
建物を構造的に強くする
内部空間を確保する
耐震性の主なチェックポイント
全体 形は複雑でないか・老朽化してないか・1981年以降に建てられたか?
屋根部分 重い素材を使っていないか?・軒先の線などが波打ってないか?
壁部分 筋交いは入っているか?・面積と配置のバランスが悪くないか?・大きな開口部(窓、ガラス戸など)がないか?
基礎部分 ひび割れはないか?・シロアリの発生はないか?
その他 柱やはりの結合部はしっかりしているか?・コーナーに出窓はないか?・上の階にピアノやタンスなどを置いていないか?
☆来るべき南海トラフの大地震
平成23年〜
内閣府 中央防災会議
”南海トラフの巨大地震モデル検討会”
☆長周期地震動などによる新たな被害形態
長周期地震動とは
地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことです。
南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。このような地震動のことを
地震動 一つの地震には揺れはじめから終わりまで様々な周期の揺れが混在しています。過去の地震から1秒以下の短い周期の揺れの方が揺れの強さが大きく、建物に与える影響も大きい傾向があることがわかっています。 建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があります。地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れます。
高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の波と「共振」しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。また、高層階の方がより大きく揺れる傾向があります。
建物の揺れやすい周期(固有周期)は、高さによって異なり、一般的に高いビルほど長い固有周期をもちます。同じ地面の揺れでも、建物の高さによって揺れ方は異なります。また、地面の揺れの周期と建物の固有周期が一致すると、その建物は大きく揺れます。

まとめ
地震のしくみとビル等の高さのある建物に起きる長周期地震動のしくみを学びました。
午後は地区防災計画づくりについて
地区防災計画学会事務局長の筒井智士氏のお話とパネルディスカッション
パネリストは石川県加賀市三木地区自主防災会事務局長竹本利夫氏、高知県高知市下知地区減災連絡会事務局長坂本茂雄氏、六甲アイランド自治会生活安全部長重友正一氏
地区防災計画制度とは従来、防災計画としては国レベルの総合的かつ長期的な計画である防災基本計画と、地方レベルの都道府県及び市町村の地域防災計画を定め、それぞれのレベルで防災活動を実施してきました。 しかし、東日本大震災において、自助、共助及び公助があわさって初めて大規模広域災害後の災害対策がうまく働くことが強く認識されました。 その教訓を踏まえて、平成25年の災害対策基本法では、自助及び共助に関する規定がいくつか追加されました。その際、地域コミュニティにおける共助による防災活動の推進の観点から、市町村内の一定の地区の居住者及び事業者(地区居住者等)が行う自発的な防災活動に関する地区防災計画制度が新たに創設されました(平成26年4月1日施行)。
◎計画の基本的考え方
地区防災計画制度の特徴
1. 地域コミュニティ主体のボトムアップ型の計画
地区防災計画は、地区居住者等により自発的に行われる防災活動に関する計画であり、地区居住者等の意向が強く反映されるボトムアップ型の計画です。また、地区居住者等による計画提案制度が採用されていることもボトムアップ型の一つの要素です。
2. 地区の特性に応じた計画
地区防災計画は、都市部のような人口密集地、郊外、海側、山側、豪雪地帯、島嶼部等あらゆる地区を対象にしており、各地区の特性(自然特性・社会特性)や想定される災害等に応じて、多様な形態とることができるように設計されており、計画の作成主体、防災活動の主体、防災活動の対象である地域コミュニティ(地区)の範囲、計画の内容等は地区の特性に応じて、自由に決めることができます。
3. 状況別の防災活動
平常時、発災直前、災害時、復旧・復興期の各段階で想定される防災活動を整理することが重要です。また、行政関係者、学識経験者等の専門家のほか、消防団、各種地域団体、ボランティア等との連携が重要になります。
4. 継続的に地域防災力を向上させる計画
地区防災計画については、単に計画を作成するだけでなく、計画に基づく防災活動を実践し、その活動が形骸化しないように評価や見直しを行い、継続することが重要です。

「災害は忘れた頃にやってくる」とも言われています。
地区防災計画を活用し、いざという時に地域コミュニティに効果的な防災活動を実施できるようにすることが重要。
そのためには、地区の特性を踏まえた実践的な計画作成を行い、作成を通じて地域コミュニティにおける共助の意識を醸成させ、人災育成を進めることによって、総合的に地域防災力の向上をさせることが重要。
また、防災活動をきっかけとして共助による活動が活発化し、良好な地域コミュニティの関係を維持することにつながることもあります。(地区防災計画の本質)
地域力×防災力×計画力=地区防災計画


3名の活動内容、問題点、課題等を聞き、質疑応答をして終わりました。
各地域で色々と防災を考えて地域を考えて活動している話を聞き、自分たちの地域ではどのような活動があり、どのような状況なのか?調べたくなりました。
後1回で防災リーダー講座も終わり、防災士試験があります。
何が必要でどうしていけばいいのか?
色々とある災害のしくみや過去の事例を振り返り、近々くる南海地震等に向けて対策を考えていけなければなりません。
まずは、地域の人達の防災意識を高める方法からかなぁと思いました。
今は震災後ではなく次に来る震災前である
人と人のつながりが命を救う
試験勉強がんばります(^_^)v
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